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歯ぎしりは成人の約90%の方が経験していると言われており、多くの方がそれに悩まされた経験があるのではないでしょうか。歯ぎしりはストレス発散のための重要な機能でもありますが、その反面お口(歯や歯茎)や顎関節のトラブルを引き起こす原因にもなります!!
〜歯ぎしりの種類〜
①グラインディング(歯ぎしり)
上下の歯を強く噛んだ状態で横に滑らせこすり合わせる行為です(寝ている時に生じる事が多い)。
『ギシギシギリ』と音が生じる場合が多く、比較的周りの人に気が付いてもらいやすいのが特徴です。
②クレンチング(くいしばり)
上下の歯を強く噛みしめる行為です(寝ている時・何かに集中している時に生じます)。
グラインディングのようにギリギリといった音は鳴らないため、気付きにくい事が特徴です。
③タッピング(歯を鳴らす)
上下の歯を繰り返し接触させて、『カチカチ』と音を鳴らす行為です。
タッピング自体は強い力は加わりませんが、タッピングのみ生じる事は少なく、グラインディングやクレンチングのきっかけになる事が多いのが特徴です。
〜歯ぎしりが与える影響〜
⑴噛んだ時の痛み
歯ぎしりが原因で、歯の周囲の『歯根膜』が炎症を起こすことにより痛みの原因になる場合があります。
奥歯が噛んで痛い、痛みの位置が変わる等の場合は、虫歯や歯周病などではなく、歯ぎしりによって痛みが出ている可能性があります。
⑵知覚過敏
歯ぎしりによって歯がすり減り『象牙質』がむき出しになると、歯がしみる原因になります。
また歯に亀裂が入ったり、割れるたりすることもあり、そこから細菌が神経に侵入し強い痛みを伴う可能性もあります。
⑶虫歯・歯周病の原因になる
歯ぎしりによって、歯に多くな力がかかると『マイクロクラック』という小さな亀裂が入り、そのから虫歯が発生する事があります。特に、歯と歯の間で亀裂が入ると知らない間に虫歯が進行していることもあるので注意が必要です。また、歯の周り(歯周組織)に負担をかける事にもなるので、歯周病を悪化させる可能性もあります。
⑷歯の詰め物・被せ物が取れる
歯ぎしりによって歯に大きな力が、かかり続けると、それらを接着している材料が壊れてしまい、詰め物・被せ物がとれてしまう事がよくあります。とれる場合はまだ良いのですが、着けているセメントが壊れているのにも関わらず、外れてこない場合はそのから虫歯が進行してしまうため、定期的に歯医者でチェックしてもらう事をおすすめします。
⑸顎が痛い・肩こり・頭痛
下顎は左右の耳あたりにある関節のみで頭の骨とつながっているため、歯ぎしりが原因で顎に力が加わると顎の関節にあるクッション(関節円板)がずれたり、穴が空いたりし『顎が痛い』『口が開きづらい』などの顎関節症の原因にもなります。また、頻繁に繰り返していると肩こりや頭痛の原因になることも少なくありません。
〜歯ぎしりへの対応法〜
・ナイトガード(マウスピース)の使用
・質のよい睡眠をとる
・ストレスを溜めない
・噛み合わせの調整
・ボトックス治療
ナイトガード(マウスピース)の使用
もっとも一般的に行われている保険の治療法です。装着して眠ることで上下の歯が直接当たらないようにすることができ、歯の摩耗や欠損を防げます。慣れるまで少し時間がかかる患者様もおられますが、慣れてしまえばほとんど違和感なく使用できます。
質の良い睡眠をとる
自分で歯ぎしりを改善するためには、まず質の良い睡眠がとれる環境にする事が大切です。
枕が高いと歯ぎしりを誘発しやすくなるので、低めの枕を使用してください。また、同じ姿勢が維持されると、それもまた歯ぎしりを誘発しやすくなるので、寝返りが打てるような状況で寝るようにして下さい。
ストレスを溜めない
歯ぎしりの多くが日々のストレスにより生じると言われています。そのため、日頃から運動や趣味の時間を大切にし、できるだけストレスを溜め込まないようにしましょう。
噛み合わせの調整
噛み合わせは、経年的に変化していく可能性があります。その変化の中で歯が『早期接触』していると、歯ぎしりの誘発に繋がります。そのため、定期的に噛み合わせを見てもらうことが大切です。
ボトックス治療
歯ぎしりに大きく関与している『咬筋』という筋肉があります。
その咬筋にボツリヌストキシン製剤を注射し、筋肉の働きを抑え弱くすることで、結果として歯ぎしりや食いしばりによる力の影響を少なくすることが期待できます。(保険治療外)
※子供の歯ぎしり※
子どもの歯ぎしりは、歯が生え始める生後6カ月ごろから始まり、中学生くらいまで続くこともあります。音が大きく、ギリギリと削れるような音がするので、心配するお母さんも多いようです。
子供の歯ぎしりの多くは、次に生えてくる歯の位置やあごの位置を決めようとする生理現象がほとんどなので、心配いりません。成長に伴い自然に消失する事がほとんどです。しかし、マウスピースを必要とすることも稀にありますので、一度ご相談下さい。
いいだの森歯科こども歯科クリニック
院長
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